【東北の銘石ツアー第3弾】福島県が誇る個性溢れる2大銘石の採掘状況は!?

杉並区荻窪の石材問屋・大徳石材工業の大代(おおしろ)賢太郎です。

お彼岸も中日を過ぎ、ようやく一都三県も緊急事態宣言が解除されましたね。徐々に暖かくなってきたことで人出も増える時期ですが、私自身も引き続き感染に気を付けながら日々を過ごせればと思っています。

さて、先々週よりリポートをお届けしている東北の銘石ツアーもついにラストの第3弾。今回は福島県が誇る国産黒みかげ石の代表格「浮金石」とこちらも東日本では絶大な人気を誇る「深山ふぶき」の丁場の様子をお届けしたいと思います。
なお、第1弾の「伊達冠石」第2弾の「伊達青糠目石」「磐梯みかげ」の様子は各リンクよりご覧ください。

現在は㈱フクイシ様が採掘されている浮金石と深山ふぶきですが、浮金石については一昨年まで㈱石の協栄様が採掘していた丁場をフクイシ様が引き継ぐ形となりました。
今回、佐藤会長にご案内いただきましたが「国内でも数少ない黒みかげ石の石山を絶やすことはできない」とおっしゃっていて、地元の銘石に対する熱い想いが感じられます。

それでは、その浮金石の丁場の様子からご紹介したいと思います。
以前にもブログで特集しましたので改めてになりますが、浮金石は石の色調の通り「黒石山」の標高約900m付近という非常に厳しい環境で採掘されており、冬期は積雪そして石を切断するための水が凍ってしまうため採掘が一時的に停止します。私たちが伺ったのは3月11日でしたが、つい数日前まで山に入れなかったそうで採掘作業はまだまだこれからといったところでしょうか。

この日はまだ稼働していませんでしたが、キズが入らないように極力、発破作業はせず、ダイヤモンドチップが付いたワイヤーソーで岩盤から切り離していることから非常にキレイな切断面をみることができます。
しかし同じ岩盤でも上層部分は急激にマグマが固まったことで石目のムラが非常に多く下層の方が良材が採れるため、そこまで辿り着くのも大変なのだそうです。

ちなみに上の写真の岩盤上で職人さんが作業されているのはわかりましたでしょうか?近づくと黒色火薬を仕掛けるための穴掘作業をおこなっていました。黒色火薬の発破で割った後、これだけ大きな岩盤を左右に倒すのだそうです。非常に危険な作業ですが、機会があれば倒す様子も見てみたいですね。

近くで見るとそのムラやキズの多さも非常良くわかりますし、場所によってはこんなにハッキリとした岩盤の亀裂も見られます。
そのため採掘した石材の5%程度しか製品にならないのだそうです。

ちなみに岩盤から反対を振り返ると、こんな絶景もみられます。
以上、浮金石の丁場の様子でした。

 

次いで深山ふぶきの丁場をご案内いただきました。
こちらは40年ほど前からフクイシ様で採掘されている歴史のある丁場です。この石山を知り尽くしているからこそ計画的な採掘ができ、長期に渡って安定供給を可能にしているのも大きな魅力だと思います。

下の写真は丁場の全景です。以前は右側の水が溜まっているところを採掘していましたがある程度掘り下げたため、現在は左奥にかけて採掘されています。

採掘方法は浮金石と同様でワイヤーソーと黒色火薬が中心でおこなわれています。ちなみに浮金石と深山ふぶきは同じ作業員の方が採掘をしていて、この日は浮金石の石山での作業をされているため、こちらの採掘作業は一時中断しているとのことでした。


漆黒の中に乳白色の結晶と金箔が散りばめられた希少な国産黒みかげ石「浮金石」。濃紺の中に白い結晶が吹雪のように美しく舞うことからその名が付けられた「深山ふぶき」。どちらも非常に個性に溢れ、それだけに多くの人を惹きつける魅力を持っています。興味のある方はぜひ当社までお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。

石材問屋・大徳石材工業株式会社 大代賢太郎
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