黒みかげ石は“どれを選ぶべきか?”—1年間放置して分かった経年変化

杉並区荻窪の石材問屋・大徳石材工業の
大代(おおしろ)賢太郎です。

石材店の皆さまは、

“真っ黒い黒みかげ石で

お墓を建てたい”と

ご相談を受けた際、

どの石種をおすすめ

されていますでしょうか。

黒みかげ石と一口に言っても、

最高級品である

スウェーデン産「ファイングレイン」から、

近年は良材の確保が難しくなり

墓石ではほぼ使われなくなった

中国産「山西黒」まで、

価格も品質もさまざまです。

そこで今回は 「経年変化」 に着目した、

ある実験の結果をご紹介します。

■実験名はその名も「放置」

少し拍子抜けするかもしれませんが、

自然環境下での変化を見るうえで、

実はこれが最も確実な方法です。

人工的に気候を再現する機械もありますが、

あくまで“人工環境”。本当の経年変化とは

やはり差があります。

唯一の問題は「時間がかかる」こと。

残念ながらタイムマシンはまだありませんので(笑)、

気長に待つしかありません。

この実験は 昨年3月29日 にスタート。

今回エントリーした黒みかげ石は以下の石種です。

■実験に使用した黒みかげ石(解説付き)

①スウェーデン産「ファイングレイン」

黒みかげ石の最高級品・スウェーデン黒と言えばこの石。

極細で均一な石目、その中に浮かぶ細かな銀粉は

他に類を見ない美しさを放ちます。

ただし山キズ(石が形成される際に出来たキズ)が

多いことから大材(大きな原石)が取れません。

また現在ほぼ採掘されていないことから希少性もあります。

 
②スウェーデン産「エボニーブラック」

ファイングレインよりやや石目の粗いスウェーデン産高級石材。

こちらも高い耐久性があり、数十年経っても劣化しないと言われています。

またファイン同様、山キズの多さから大材が取れません。

ここ最近、製品になる石には大きな銀点が見られることから

注文する前には必ずサンプルを確認した方がよいでしょう。

 
③インド産「クンナム」

インド産の黒みかげ石では最高級品になります。

採掘され始めた1970年代から日本にも原石が輸入されており

黒みかげ石と言えば「クンナム」を示したほどでした。

インド政府の環境規制により、ここ数年は採掘停止になることが多く

供給が不安定でしたが、徐々に安定を取り戻しています。

ただ本来、クンナム村で採掘されている原石を

本物の「クンナム」と呼んでいますが

似たような石種をクンナムとして

出荷している工場もありますので、

十分注意が必要です。

 
④インド産「MU」

インド産の黒みかげ石ではクンナムに並ぶ最高級品です。

クンナムの採掘が安定しないことから、

代替石種として使用されることが多くなりました。

クンナムはやや茶色がかっていると言われますが、

こちらは正統派の黒みかげ石です。

細目で、色がさめることがほとんどなく

供給も安定していて大材も取れる良材です。

 
⑤インド産「YKD」

インド産の高級黒みかげ石です。

MUに比べるとやや黒が薄く、

細かな白い細粒が混ざっています。

ただし品質が安定していて、大材も取れるため

クンナムやMUと比べると価格帯も

若干安価にて提供されています。

 
⑥インド黒
インド産のスタンダードな黒みかげ石です。

中国産「山西黒」の供給が不安定になった頃から

インド産の安価な黒が出回りはじめました。

種類もさまざまで正確にはわかりません。

どうしても提供価格を抑えたい場合や

墓誌などを早急に用意する必要がある際などには

提供してきました。

ただ、これからご覧いただく写真を見ればわかると

思いますが、安価なのはそれなりの理由があります。

■1年放置した結果

こちらが実験開始から1年後の状態です。

上が雨風にさらしていないサンプル。

下が屋外に放置したサンプルです。

わかりづらいので

もう少しアップにしてみます。


特に変化が大きかったのは

インド黒で、放置前と比べて

明らかに白っぽくなっているのが

分かります。

つまり――

「安いには、それなりの理由がある」

ということです。

もちろん、他の石種にもわずかな変化はありますが、

価格帯の違いはやはり耐久性・経年変化にも反映されます。

■今後も実験継続します

この“放置実験”は今後も続けていき、

また1年後に経過をご報告したいと思います。

黒みかげ石でお墓を検討される

お施主様にとっても、

石選びの参考になれば幸いです。


石材問屋・大徳石材工業株式会社 大代賢太郎
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