石目の違いは天然の証し。だからこそ許容する心が大切です

杉並区荻窪の石材問屋・大徳石材工業の大代(おおしろ)賢太郎です。

弊社では日頃から検品に力を入れていますが、

毎日のように石を見ていると、

どうしても「石目」の違いに敏感になります。

特に、流通しはじめたばかりの石種(石の種類)については、

事前に工場からサンプルや情報を取り寄せ、

十分に把握してから使用するようにしています。

ところが、実際に製品として届いた際には、

想定していたものと微妙に異なる場合があります。

例えば──

・「思ったより濃淡の幅がある」

・「石目が粗い(または細かい)」

・「黒玉が想定より多い」

こういった“想定外”は

決して珍しいことではありません。

今週も、カンボジアで採掘されている

グレー系石種「東方山崎」で

注文した製品が入荷しました。

まず写真左のサンプルと見比べてみると、

石目がやや粗く、色も若干濃い印象でした。

しかし、これは不良品ではなく、

天然の石材であれば当然起こり得る“個性の違い”です。

石材はすべて地球がつくりだした天然素材。

同じ丁場(採掘場)、同じ石種であっても、

濃淡の強弱、粒の大きさなど、

ひとつとして同じものはありません。

SMAPのあの曲の歌詞みたいですが(笑)

これらの差異こそが、人工素材には絶対に出せない、

まさに“天然の証し”なのです。

とはいえ、お墓や建築に使用する際、

お客様によっては

「カタログの色と違う気がする」

「サンプルより明るい(暗い)」

と感じられることがあります。

ですが、これらは製品の欠陥ではなく、

天然素材が持つ幅として必ず起こる現象です。

もちろん、私たち石材を扱う側としては、

できる限り均一な石を選別し、

美しく仕上がるよう努力しています。

しかし、天然石ゆえの微妙な差異を

完全にゼロにすることは不可能です。

だからこそ大切なのは、

“完全な均一”を求めすぎないこと。

天然の石ならではの揺らぎを許容する心持ち です。

多少の色幅や石目の違いを受け入れることで、

石本来の魅力がより豊かに感じられますし、

お墓としても「世界に一つだけ」の表情を

楽しむことができます。

むしろ、均一すぎる石は

人工素材のように見えてしまい、

天然石の温かみや深みが

失われてしまうことすらあります。

石は自然の恵みであり、

二つとして同じものがありません。

その“一点ものの魅力”を、

これからお墓を建てる方にも

ぜひ感じていただければと思います。


石材問屋・大徳石材工業株式会社 大代賢太郎
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