大徳石材が最も大切にしている『検品』について②

杉並区荻窪の石材問屋・大徳石材工業の大代(おおしろ)賢太郎です。

さて、昨日の続きです。

大きな寺標の「検品」で見つかった“とんでもない欠陥”とは一体何だったのか――。

下の写真をよーく見ていただくと、白いチョークで2本線を引いたその間に、うっすら「黒い線」が浮かんでいるのがわかるでしょうか?
(※この写真は中国の工場に伝えるために撮ったもので、その線を写すのも非常に難しかったです。)

実はこの「黒い線」が石のまわりをぐるりと一周していたのです。

しかも1本だけではなく、2本とも

ちなみに、同じ製品を2本作る場合は、石目や色合わせがしやすいように、同じ原石から採るのが一般的です。

この時点では「黒い線」は本当によく見ないと分からない程度。

そのまま建てても、おそらく気づかない人がほとんどだと思います。

ただ、これが非常に厄介でG654系など、グレー系の石材では、時間の経過とともにこの「黒い線」が白い線へと変化していくことがあるのです。

※下の写真(石種:平和654)をご覧いただくと、よくわかると思います。

それが文字を彫った後はもちろん最悪の状況では建てた何年か後になって現れたなんて想像したら変な汗が止まりません。

「いやー、検品の段階で見つかってよかったーーー!」と私自身、ホッとはしないものの、ひとまず胸をなでおろしました。

ちなみに、この場合大変残念ですが、完成まで2週間、海上輸送で1週間、合計で約3週間ほどかけて工場で直してもらうことになります。

こんなこと頻繁にあるわけではありませんが、特に大きな案件はこれだから油断できません。

同業の卸業者が、木枠梱包を外した程度で検品もせず納品しているケース(中には木枠のまま納品しているケースも)を多々見ることがありますが、私には正直信じられません…。

確かにその方が手間もかからず、コストも抑えられます。

でも、何かあってからでは取り返しがつかないこともあるのです。

私たちは、これからも一つひとつの製品を責任をもって、丁寧に検品し、石材店様に届けられるよう努めてまいります。


石材問屋・大徳石材工業株式会社 大代賢太郎
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