CADが使える=図面が作れる? 20年以上の経験から断言できること

杉並区荻窪の石材問屋・大徳石材工業の
大代(おおしろ)賢太郎です。

昨日、ある石材店様との打ち合わせで、

今後の案件や図面について話をした際に、

少し引っかかったことがありました。

今日はその内容をテーマにしたいと思います。


◆打ち合わせの内容

石材店様
「●●家様の案件だけど、

打ち合わせも終わって、

そろそろ注文をいただけそうなんだ。

石塔の●●石は御社に発注するけど、

外柵の○○石は他社(私も知っている加工メーカー)の方が

安いから、そっちでお願いしようと

思っていて…」

まず前提としてお伝えすると、

弊社では

お施主様向けのプレゼン用図面を

基本的に無料で提供しています。

今回の案件もその対象でした。

※下の図面は事例です。


◆図面作成に必要なものは「ソフト」ではない

図面作成には、

墓石専用CAD・パソコン・

CGソフト・維持費など、

さまざまな設備が必要です。

父の時代はドラフター(製図用の机)で

手書きで書いていました。

しかし、これは“道具”の話であって、

本当に重要なのはそこではありません。

私が一番必要だと考えるのは 経験 です。


◆墓石の図面は「寸法が合っていれば良い」仕事ではない

例えば、関東の標準的な8寸角の和型石塔であれば

  • 竿石:8寸 × 8寸 × 高さ2尺1寸

  • 上台:1尺4寸 × 1尺4寸 × 高さ9寸

  • 中台:2尺 × 2尺 × 高さ1尺

このような規格寸法があります。

数字だけなら覚えるだけで済みます。

大したことではありません。

本当に大切なのは、図面の中に

  • お施主様が参りやすい設計か

  • 石材店様の想いや考え方が反映されているか

  • 職人さんが施工しやすい構造か

  • 耐久性が高い仕様になっているか

  • デザイン性が保たれているか

  • コストパフォーマンスが最大化されているか

  • 全体のバランスが美しいか

こうした “見えない部分の最適解”

ひいては”想い”

を詰め込めているかどうかだと思うのです。


◆私が図面を作り続けてきた理由

現在、図面を作成しているのは私ひとりです。

高校卒業後に石材店様へ修行に出て、

原石から外柵加工・施工まで経験。

大徳石材に戻ってからも20年以上、

図面作成と現場経験を重ねてきました。

数年前にCADオペレーターを

雇い入れたこともあります。

大手ハウスメーカーでCAD経験がある方でしたが…

  • 住宅と墓石の設計は勝手が違う

  • 決まった形が少ない

  • 尺貫法が前提である

  • そもそもお墓に興味がない

などの理由から苦戦し、

最終的に私が修正を行うことが多くなりました。

この経験を通して改めて感じたのは

「お墓の図面は、CAD経験だけでは作れない」

そして

「よいお墓を建てるには想いが絶対的に必要」

ということです。

だからこそ、弊社の図面が多くの石材店様から

評価されているのだと自負しています。


◆最後に — 図面の価値について

経験はお金では買えません。

ゲームに例えるなら、

墓石業界には

はぐれメタルやメタルキングがほとんどいない

世界です。

レベルが上がるまでに、

とてつもない時間がかかります。

(※ゲームプログラマーを目指していた時期も

ありましたので例えが出てしまいました(笑))

「オタクは高い」と言われることもありますが──

高くなるまでに積み重ねてきた時間と

経験があるからこそ なのです。

そんなことを思いながら、秋から冬へと

季節が移り変わるのを感じた朝でした。


石材問屋・大徳石材工業株式会社 大代賢太郎
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